小説「関東大震災」読んだ

小説「関東大震災」読んだ友人がすすめるので読んでみた。

関東大震災吉村昭

新装版 関東大震災 (文春文庫)

新装版 関東大震災 (文春文庫)

大正12年9月1日に関東地方に発生した大地震関東大震災」題材にした小説だ。当時の大震災の記録を丹念に調べ、ドキュメンタリー風小説としてその様子を克明に描いた作品で、作者は1973年に第21回菊池寛賞を受賞した力作だ。

災害と事故 『関東大震災
http://kamituke.hp.infoseek.co.jp/page155.html

小説では、東大地震学教室内の大森教授と今村助教授との対立、凄惨な本所被服廠跡での死者3万8千人の災害、避難所の混乱とデマ・流言の横行、朝鮮人殺害事件、大杉栄事件、警察の苦闘、地震跡の処置・・・などの筋立てで大地震の様子がわかる。
いまどきは写真や動画を駆使して災害状況をレポートするのが一般的だが、写真や地図も一切なく調査した事実を淡々と描くことにより、当時の被害者の悲惨さが伝わってくる。
ただ当時の地図ぐらい付けてほしかったなと思った。関東地方以外の人には当時の都内の被災地の地理はわからないよ!

町内会の(防災)アマチュア無線クラブの皆さんにも一読をおすすめしておいた。大地震は物理的な家屋や財産を奪うだけでなく、人心をひどく荒廃させてしまうこともわかる。