小説「関東大震災」読んだ
小説「関東大震災」読んだ友人がすすめるので読んでみた。
- 作者: 吉村昭
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2004/08/01
- メディア: 文庫
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大正12年9月1日に関東地方に発生した大地震「関東大震災」題材にした小説だ。当時の大震災の記録を丹念に調べ、ドキュメンタリー風小説としてその様子を克明に描いた作品で、作者は1973年に第21回菊池寛賞を受賞した力作だ。
災害と事故 『関東大震災』
http://kamituke.hp.infoseek.co.jp/page155.html
小説では、東大地震学教室内の大森教授と今村助教授との対立、凄惨な本所被服廠跡での死者3万8千人の災害、避難所の混乱とデマ・流言の横行、朝鮮人殺害事件、大杉栄事件、警察の苦闘、地震跡の処置・・・などの筋立てで大地震の様子がわかる。
いまどきは写真や動画を駆使して災害状況をレポートするのが一般的だが、写真や地図も一切なく調査した事実を淡々と描くことにより、当時の被害者の悲惨さが伝わってくる。
ただ当時の地図ぐらい付けてほしかったなと思った。関東地方以外の人には当時の都内の被災地の地理はわからないよ!
町内会の(防災)アマチュア無線クラブの皆さんにも一読をおすすめしておいた。大地震は物理的な家屋や財産を奪うだけでなく、人心をひどく荒廃させてしまうこともわかる。