書籍「IBMの息子」

世界最大のコンピューター会社IBMの2代目会長トーマス・J・ワトソンジュニア氏による、創業当時からのIBMとその歴史を書いた自伝本だ。気取らず人間臭くおもしろい。

「IBMの息子」トーマス・J・ワトソン自伝 (上・下) 新潮社

IBMの息子―トーマス・J.ワトソン・ジュニア自伝〈上巻〉

IBMの息子―トーマス・J.ワトソン・ジュニア自伝〈上巻〉

IBMは戦前すでに創業者の父がパンチカードシステムのビジネスで成功し優良企業となっていた。戦後コンピューター・ビジネスに社運をかけて成功し世界的な優良企業になる。創業からのIBMの歴史やビジネスの考え方がよくわかる。
コンピューター・ビジネスでは先行のUNIVACなどを追い越してコンピューター産業の巨人になるわけだが、超急成長で経営は想像を絶する状況だったようだ。業界トップ企業になるとさらに売り上げが加速するが深刻な家庭の不和、司法省との独占禁止法裁判、コントロールデータ社との裁判・・・問題を乗り越える努力と熱意には敬服する。
IBM退職後はソ連大使を歴任するなど外交舞台で活躍する。

IBM創業者の息子として見てきた創業からのIBMの生い立ちと歴史をつづった本だが、IBMの企業としての原点を知るにはいい本だ。