SF小説「順列都市」

順列都市〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)

順列都市〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)

順列都市〈下〉 (ハヤカワ文庫SF)

順列都市〈下〉 (ハヤカワ文庫SF)

やっと読み終わったが、期待はずれでおもしろくなかった。
作者グレッグ・イーガンはオーストラリアの元プログラミングの専門家で作品の発想はおもしろい。

人間の意識をスキャンして<コピー>を作り、それをコンピューター・ネットワークで走らせることで死後も行き続けることができる・・・というシチュエーションだ。

ただ、コンピューター科学に明るくない人は、小説中に出てくる専門用語はわからなくて・・・最後まで作者の持論に付き合うことになる。さらに小説の章は時系列でないので難解だ。
文中では、文章が長く、状況説明と登場人物の心理描写の区別がわかりにくく読みづらいのはどうにかしてほしい。

最近話題のセカンドライフでは、自分のアバターでネット上の仮想社会でバーチュアル生活をするわけだが、順列都市では人間の意識そのものが生活することになる。

まあ、死後にコンピューターの中に作った仮想都市空間に行き続ける金持ちの道楽世界の大事変ってことなんだろう。頭を使う割には最後が期待はずれだったので落胆した。

死後もコンピューターの仮想空間で行き続けられるんだったら宗教や神はどう位置づけられるのかが関心事だった・・・でもまったく触れていないのは残念だ。