トリアージって何だ?

トリアージって何だ?
先日、町内会で地域防災避難訓練の説明会があった。地元自治会の地域防災避難訓練が9月にあり、70人以上の出席者あった。
当日は、近くの小学校で全生徒も参加しての大規模な避難訓練のようだ。アマチュア無線隊の隊員の1人になり、災害時には区役所の無線局との通信を担当する。

トリアージ
説明会では「トリアージ」という知らないキーワードが何回も出てきた。最後に災害医療担当の医師から説明があって、自分も含めて多くの人がおどろいていた。トリアージとはフランス語で選別、ふるいわけ・・というニュアンスの意味で適切な日本語が無いのでベタなカタカナ語とのこと。ナポレオン時代の軍隊での負傷兵の医療システムに由来するらしい。負傷兵を早く治して兵力を維持するのに大きな効果があり、ナポレオン軍の強さの秘密でもあった。

地震などの災害で負傷者が多く発生した場合、全員の救命をするのでなく、なるべく生存者を多くするための救命処置をする。その時に、トリアージ担当の医師が負傷者のふるいわけをする。1人の負傷者について30秒〜1分間、顎を持ち上げて息がなければ黒タグを付けて手当てしないという。
ひどい話だが、なるべく多くの命を救うため、たとえば8000lmの輸血が必要な1人いたとするとその人は黒タグで、1000mlづつ別の8人の負傷者に輸血する。倫理的問題は残るが、生存者を1人でも多くして効率的な医療をする方法だ。トリアージは何回も繰り返して行われるが、黒タグになると手当てが後回しになる。

救命処置の優先順位は、年齢、負傷状態を考慮して、存命者を多くする方向で決められる。
災害で重傷を負ってしまったら、トリアージの時に息をすることが最優先事項だ。

日常の救急医療は100%の救命をめざすが、災害医療ではなるべく生存者を多くする効率医療処置だとわかた。

講演後、みなさん神妙な顔で帰って行った。