ノンフィクション「メディアの興亡」

メディアの興亡〈上〉 (文春文庫)

メディアの興亡〈上〉 (文春文庫)

ノンフィクション「メディアの興亡」を読み始めた、おもしろい。

「メディアの興亡」(上・下) 杉山隆男 文春文庫
http://www.amazon.co.jp/o/ASIN/4167504014/250-9577704-6409810?SubscriptionId=0BWETDJEXX74A1DZZ0G2

昭和30年代からはじまる国内の新聞各社での技術革新の実情を描いた中身の濃いノンフィクション作品だ。新聞拡販戦争と違う、新聞の印刷まで活字(インゴット)を使わずコンピューター作成するシステムを開発する技術革新の戦争だ。当時の時代背景や経営者、技術者たちの苦闘と葛藤、成功・・・など良く調べて書いたものだと感心する。

ファクシミリ導入に続いて、コンピューターによる新聞編集・製版の導入がクライマックスのようだが、まだそこまで読み進んでない。当時二流新聞だった日経新聞がいかにしてコンピューター新聞編集を導入していったかの企業と人間のドラマでもある。
日経新聞のANNEX,朝日新聞のNELSON、は日本IBMのエンジニアと協力して完成にこぎつけたようだ。当時はアポロを月に送るよりもむずかしい計画といわれたという。ハードウェアは当時の最先端マシンIBM360のシステムだ。当時IBM本社の最優秀技術者を投入して開発し、日経新聞が運用第一号となった。

■コンピューターは森鴎外・・・
(懐かしい!)鵜沢昌和氏がブリジストンに在籍(その後青山学院大学教授)していた時の話がおもしろい。「コンピューターは森鴎外なのです。・・・」ときりだして、相手を引き込んでしまう説明なのだ。2進数で動くコンピューターがなぜ計算だけでなく、新幹線の予約ができるのか・・・うまい説明で感心した。さすがこわれて大学教授になった人だ。・・・上巻274ページあたり・・・。

たのしみだ。