小説「ふぉんしいほるとの娘」を読んだ
小説「ふぉん・しいほるとの娘」を読んだ
この小説はシーボルトと芸妓のあいだに生まれた娘「いね」のその後の人生を描いた吉村昭の歴史小説だ。いねの成長と幕末から明治への日本の激動期が重なって読みごたえのある歴史作品だ。
父シーボルトは「シーボルト事件」で永久国外退去になるが、30年後の開国後に来日して劇的な再会をする。
いねは成長して日本初の医者となる。幕末から明治の混乱期をシーボルト、いねの母、娘、孫の3代をとおして知ることのできる歴史小説だ。
ふぉん・しいほるとの娘〈上・下〉
- 作者: 吉村昭
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1993/03/30
- メディア: 文庫
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以前読んだ司馬遼太郎の小説「花神」では、いねが宇和島で村田蔵六(大村益次郎)にオランダ語を学ぶくだりがあり、この吉村昭小説とはちがっていたことも興味深かった。