小説「ふぉんしいほるとの娘」を読んだ

whzat2010-04-17

小説「ふぉん・しいほるとの娘」を読んだ

この小説はシーボルトと芸妓のあいだに生まれた娘「いね」のその後の人生を描いた吉村昭歴史小説だ。いねの成長と幕末から明治への日本の激動期が重なって読みごたえのある歴史作品だ。

シーボルトは「シーボルト事件」で永久国外退去になるが、30年後の開国後に来日して劇的な再会をする。
いねは成長して日本初の医者となる。幕末から明治の混乱期をシーボルト、いねの母、娘、孫の3代をとおして知ることのできる歴史小説だ。

ふぉん・しいほるとの娘〈上・下〉

ふぉん・しいほるとの娘〈上〉 (新潮文庫)

ふぉん・しいほるとの娘〈上〉 (新潮文庫)

またシーボルトの人となりや知られていない生涯についても興味深く読んだ。

以前読んだ司馬遼太郎の小説「花神」では、いねが宇和島村田蔵六(大村益次郎)にオランダ語を学ぶくだりがあり、この吉村昭小説とはちがっていたことも興味深かった。