書籍「エニアック」
書籍「エニアック」
世界最初のコンピューター「エニアック」と発明者のモークリーとエッカートについて書いた本だ。おもしろい。
エニアック ― 世界最初のコンピュータ開発秘話(2001年)
- 作者: スコット・マッカートニー
- 出版社/メーカー: パーソナルメディア
- 発売日: 2001/08/10
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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この本は2人とENIACをめぐるドラマを書いた本で、完成までの猛烈な労働と苦労は想像を絶するものだったようだ。
ENIACは、当時陸軍の(砲弾)弾道計算機プロジェクトとして採用され、莫大な予算を得て完成した。それはまた戦後の科学技術の進歩や生活を革命的に変える機械の元祖でもあった。
戦後2人はUNIVACを開業するのだが、IBMなどとの競合や特許紛争・・・等で波乱の人生だったようだ。
世界初のコンピュータ「ENIAC」
http://www.necel.com/ja/fow/print/04.html
驚くべきことは主要部品が(故障の多かった)真空管を1万8千本も使用しながら正常に動いたという奇跡だ。またメモリーは磁気コアでななく、レーダー技術で開発された水銀遅延線を使ったようだ。
本には書いていないがプログラマーも(当然?機械語によるプログラミングでしょうから)想像を絶する苦労があったと思う。
■ENIACのデータ
・重量:30t
・床面積:1800平方フィート(160平方メーター)
・消費電力:147KW(放送局並みの電力料:$650/時間)
・真空管:17468本
・抵抗器:7万本
・コンデンサー:1万本
・半田付け:50万ヶ所
・弾道計算にかかる時間:30秒
(卓上計算機なら20時間、微分解析機なら30分)
・経費 $48万6804.22
・延べ20万人時間
■特徴
弾道計算での使用後は水爆開発関連の計算にも使われた。
フォン・ノイマンが考案したとされる「ノイマン方式」(プログラムを交換可能)はエッカートたちのアイデアだったようで、手柄を横取りされた以降冷たくなっていった。
ENIACは、戦争の道具として莫大な予算を得て実現したわけだが完成したのは終戦後だった。しかし水爆開発などで利用された。