文庫本「アームストロング砲」

whzat2008-01-01

文庫本「アームストロング砲」
去年11月から司馬遼太郎の本を読んでいる。大村益次郎を書いた「花神」3巻がおもしろかったので、その関連作品「アームストロング砲」を読んだ。

「アームストロング砲」司馬遼太郎
http://www.amazon.co.jp/%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%AD%E3%83%B3%E3%82%B0%E7%A0%B2-%E8%AC%9B%E8%AB%87%E7%A4%BE%E6%96%87%E5%BA%AB-%E5%8F%B8%E9%A6%AC-%E9%81%BC%E5%A4%AA%E9%83%8E/dp/4062749327/ref=pd_sxp_f_pt

アームストロング砲とは、1855年(幕末期)にイギリスで発明された当時最新鋭の大砲だ。それまでの丸弾とはちがい小型で椎の実型弾を使った高性能な大砲で、射程距離が飛躍的に大きく命中率、破壊力が高いため、イギリスでは(その恐るべき破壊を懸念して)当初は陸戦では使用せず、海戦にのみ使ったという飛躍的な破壊兵器だったという。

アームストロング砲(ウィキペディア
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%AD%E3%83%B3%E3%82%B0%E7%A0%B2

写真:戊辰戦争時代のアームストロング砲
http://www.general-museum.fks.ed.jp/jyosetuten/gendai.html

アームストロング後装砲(しくみ、解説)
http://www.d3.dion.ne.jp/~ironclad/wardroom/ArmstrongBL/armstrongBL.htm

発明家:サー・ウイリアム・ジョージ―・アームストロング
http://www.eonet.ne.jp/~m-hirose/ijinden/11gatu/1126.htm

幕末の日本では軍事技術導入に熱心な鍋島藩が輸入し、それを藩の秀才技術者が製造に成功した。そして江戸城無血開城の後に起きた官軍と彰義隊との壮絶な上野の戦闘で(官軍指揮官大村益次郎の要請により)使用された。実際に勝敗をわずか2門の数発で決定付けた。

この本は鍋島藩がアームストロング砲を輸入し、苦労の末に完成した秀才技術者の運命と和製アームストロング砲をめぐる興味深い時代小説だ。
この本はいくつかの短編で構成されていて「アームストロング砲」はその1編だが、他編も幕末の時代風景を知る上ではいい構成だ。

花神」の巻末解説にもあるが「アームストロング砲」をあわせて読むといいだろう。